年報(平成25年度):在宅患者(2)「施設」

  • 2014.04.20 Sunday
  • 08:00
当法人は平成12年、介護保険が開始されると同時に介護施設(グループホーム)での診療を開始しています。
当初は、神経内科医と言えども認知症は診断出来ても周辺症状のコントロールを積極的に行っているわけではありませんでした。
平成15年から認知症診療に関する研修等を受けるようになり、平成17年頃からはある程度の自信を持って認知症診療に取り組むことが出来るようになっています。

当院のデータでは、施設患者は自宅患者よりも要介護度は低いことがわかります。
しかし、当院の自宅患者の要介護度や医療依存度が極めて高いので比較すること自体に無理があると思っています。

患者数の推移20→25
平成20年度までは、クリニック分離前から診療していた患者さんを引き継ぐ形で、介護施設の診療を行っていました。
平成21年度以降は、口コミで近隣の介護施設より認知症の周辺症状コントロールが困難なケース、パーキンソン病等の神経難病のケースの依頼が出てくるようになりました。
現在、16ヶ所の介護施設で、1〜22人の診療を担当しています。
施設入所者全員の診療を行っている施設は2ヶ所、当院だけが訪問診療を行っている施設(当院が診療をしていない患者さんは外来通院)は3ヶ所、残りの11ヶ所は複数の在宅医が診療を担当している状況です。

患者像
介護施設で診療を担当させていただいている方々は、圧倒的に認知症の方が多いです。
GHでの認知症の基礎疾患を纏めたデータがあるのですが、特定施設などのデータがないために今回は割愛します。
アルツハイマー病のみの診断基準を満たす方が約40%程度、2つ以上の診断基準を満たす方が約1/3といったところです。
施設では、これまではパーキンソン病等の神経難病患者の診療を行ってきたのですが、平成25年度の特徴は、ALS患者が5人開始されたことです。独居の方が多くなってきたために、自宅での療養継続が困難となったことと、受け入れる施設が出てきたことが大きいと考えています。
患者像2
自宅での診療を担当させていただいている方々と比較すると、平均要介護度は低いものになります。
それでも、患者さんの46%は要介護4か5です。自宅の場合は人工呼吸管理を受けておられる方が多く要介護5の方が50%を超えますので、比較は出来ません。
一般的な在宅クリニックよりは高いと思っているのですが、データを公表しているクリニックが見当たらないので比較しようがありません。
患者像3
平成26年度の診療報酬Q&A(←いつのまにやら厚生労働省のHPから消えていました・・・)で訪問診療が必要な理由を記載しなくても良いとされている「要介護4以上、または認知症鍵幣紂廚乏催する患者さんは65%です。
【愚痴】ここを認めてくれるのなら、今回の診療報酬改定の影響は少なくてすむのですけどね。
当院への診療依頼は、要介護度が低く(要介護1〜3)ても周辺症状コントロールが困難なケースの依頼が多いです。

 

 

年報(平成25年度):在宅患者(1)

  • 2014.04.17 Thursday
  • 17:00
診療報酬改訂や常勤医数減少に伴いデータをまとめる時間がなかなか取れないのですが、毎年やっていることなので今年も纏めを作成しています。

在宅患者数は、364人でした。平成24年度は348人でしたので、4.6%の増加です。
医師数は3.9人(常勤換算)から4.4人(常勤換算)へ増加していますので、個々の医師の負担は軽減されたと考えています。

主病別の患者数です。
患者数25
「神経内科クリニック」なのですが、平成23年度以降、認知症が最も多い疾患になっています。
神経難病ではPD関連疾患が最も多い疾患になりました。ALSが少なくなっただけではなく、PDが増加したことも原因ですが、神経難病内での比率はここ数年変化がありません。

平成24年度から平成25年度にかけての患者数の推移です。
患者数推移
認知症、神経難病は著変なし。昨年度から、在宅専門医としては全般的に診療できる必要があると考え、悪性腫瘍患者も積極的に診療することにしているのですが「神経難病を診るクリニック」として地域で位置づけられてしまっているので、見込みほど患者数は増えませんでした。
大阪北ホームケアクリニックは、悪性腫瘍だけではなく神経難病患者の診療も始めています。

(※)常勤医、非常勤医を募集しておりますので、ご興味をお持ちの方はご一報ください。

院内症例検討会(平成26年04月)

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 08:52
当院は複数の医師(常勤 3人、非常勤 3人)、看護師(常勤 18人、非常勤 2人)、療法士 5人等で在宅医療(訪問診療、訪問看護、訪問リハ)、レスパイトケア入院を提供しています。
複数のスタッフで関わりを持つ場合、スタッフによって患者さんへの関わり方に対する考えが異なることがあります。みんなで同じ方向を向いて患者さんを支えるために、院内スタッフでカンファレンスを行っています。
またカンファレンスは、困難事例では他のスタッフにアドバイスを求める場としても活用しています。

原則的に、毎月開催しておりますが、個人が特定されてしまう可能性が高い場合や、公開することで影響が大きすぎると考えられる場合は、ブログにはアップしておりません。今回も、実際に使用した薬剤などに関しては記載を控えています。
今回は久しぶりのアップです。

 
【問題点】
介護施設でALS患者の緩和ケアを行う時の問題点

70歳代 女性 筋萎縮性側索硬化症 NPPV、酸素療法、胃瘻
当院が係るようになって1年半が経過しています。
当初は、旦那さんと二人暮らしで種々のサービスを受けながら自宅で過ごされていました。
同年代の旦那さんの認知症が進行し、介護施設へ入所されることになり、自宅での療養継続が困難になりました。
そのため、本人も介護施設へ入所することになりました。

介護施設入所時の、ご本人の意向は
「とにかく痛みを取ってほしい」

「喋れなくなってもいいので早く楽になりたい」
「呼吸器はつけたくない」
でした。

モルヒネの増量により痛みの訴えは消失していました。
検討課題は、最近出現するようになった「譫妄」と、増悪してきた「不安」にどのように対処すれば良いか でした。

まず「譫妄」の原因については、薬剤性のものが考えられ、薬物の整理が提案されています。
また「不安」の増悪に対して、薬物療法が提案されています。

介護施設での問題点は、
・交代勤務のスタッフでは、薬物療法の効果判定は難しい
・急に強くなった症状に対するレスキュードーズの使用が難しい
 (看護スタッフがいない夜間には、レスキュードーズを使用するか否かの判断が出来ない、判断できても注入できない)

そのために、どうしても薬物療法を行うためにはオーバードーズ気味に薬物を使用せざるを得なかった。

この施設は「看取り」「パーキンソン病」等の研修を実施しており、これまでも多数の利用者の方々を看取ってきた実績があります。
しかしALSの方の入所は初めてであり、呼吸苦などあまり経験したことのない症状に対するスタッフの不安を私たちが少し甘く見ていた感があります。施設スタッフの不安が、本人の不安増悪の一因になった可能性はあると考えています。
今後は、施設スタッフにも自宅で行っているように「事前に予想される症状について理解してもらう」ための説明が必要と考えました。

【まとめ】
・介護施設に入所するALS患者が増加してきている。(←平成25年度は5人)
・頻回の吸引が必要でない限り、日常的なケアは介護施設で実施可能。
・レスキュードーズの使用が難しい。症状が抑え込むような積極的な薬物療法を行うことを検討する。
・施設スタッフの不安を軽減するためのアプローチが重要

ALSのTPPV期間に影響を与えるものは何か?(2)

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 06:15
前回に引き続きALSのTPPV期間に何が影響を与えているのかを考えてみることにしました。
これも経験から、
Mechanically assisted coughing(MAC、カフアシスト
)の登場以降、肺炎の頻度が減少している。これまで治らないと思っている肺炎も治るようになっている。その結果、カフアシストを使用するとTPPV期間は延長する」との仮説を持っております。

導入時期や使用方法の相違は問わず、カフアシストを利用しているか否かでグループ分けをしてみました。
対象は、これまでと同様に当院で訪問診療を行ったTPPVを導入したALS 30例です。
当院は原則的にALSのTPPV導入例にはカフアシストを使用していますが、診療報酬適応前に終了したケースや、実施者が確保できなかったケース、本人・家族が使用に同意しなかったケースが、使用していないケースになります。

在宅でのカフアシスト
の使用目的は、排痰のためというよりは、胸郭の柔軟性を保つために使用しています。

カフアシスト
を使用したケースは20例、使用しなかったケースは10例です。

カフアシストの有無


今回の結果は、有意差がありカフアシストを使用したほうがTPPV期間が長い結果でした。

次回以降で、
・これまでのカフアシストでは、使用している設定では有効なPeak Cough
 Flow(PCF)が確保できているか否かが評価できませんでしたが、E70(http://www.respironics.philips.co.jp/healthcare/product/product_detail.html?pid=116)が登場してから、PCFや換気量が評価できるようになったので、これまで用いていた設定は有効であったのか否かを評価する。
・カフアシスト使用の有無で、呼吸器感染症の頻度が異なるのか。
・ALSのTPPVの死亡原因は何か?
を評価していく予定にしています。

開示すべきCOI関係にある 企業などはありません」というか、利益提供を受けるほど影響力を持っていません。

ALSのTPPV期間に影響を与えるものは何か?(1)

  • 2014.04.14 Monday
  • 07:00
前回の記事(ALSにおいて気管切開・人工呼吸管理はどの程度の期間になるのか。)で、これまでの報告よりもTPPV期間が長期間に渡る可能性が出てきています。

これまでも当院が罹病期間などの「期間」を調査した場合、これまでの報告より長くなる傾向にあります。
それは既存の報告の多くが、専門病院や一般病院から行われています。
専門病院・一般病院と当院を比べると、
・在宅医療開始までに死亡してしまったケース(短期例)が、当院のデータに反映されない
・専門病院・一般病院では死亡まで追跡することが困難で、長期例が専門病院・一般病院に反映されない
ためと考えています。

ALSのTPPV期間に何が影響を与えているのかを考えてみることにしました。

これまでの経験から、
「TPPV導入直後に、ファイティング等のために気道内圧の高いタイミングのあるケースは、徐々にPIP(peak inspiratory pressure)が上昇し、圧損傷(barotrauma)の原因となりえ、その結果、生命予後が短縮する」との仮説を持っております。

まず単純に、TPPV導入前にNPPVを使用していたか否かでグループ分けをしてみました。
対象は、これまでと同様に当院で訪問診療を行ったTPPVを導入したALS 30例です。
NPPVの有無

TPPV導入前にNPPVを使用していたケースの方が、平均値・中央値ともにNPPVを使用していなかったケースよりも長いTPPV期間を持っているのですが、症例数が少ないこともあり、有意差は出ていません。
しかし、TPPV導入前にはNPPVを導入して、呼吸機能がある程度以上に障害されてからTPPVに変更した方が良さそうだとは思えるデータでした。
TPPV導入前の%FVCで評価したかったのですが、前医でTPPVが導入されているケースのデータがない・入手出来ない場合が多すぎて、残念ながら評価が出来ませんでした。
続きを読む >>

ALSにおいて気管切開・人工呼吸管理はどの程度の期間になるのか。

  • 2014.03.18 Tuesday
  • 07:00
ALSの方の診療を行っていると、「気管切開・人工呼吸管理を行うか否かを決める」ための意思決定を支援する場面は避けて通ることは出来ません。

その中で、介護を担当するご家族からは「どの程度の期間」という質問が少なくありません。
最近は、呼吸理学療法やカフアシストの導入などで、肺炎の頻度が減少し、これまで治らないと思っていたレベルの肺炎が治るようになった印象を持っていました。

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ALS診療ガイドライン2013より
呼吸器装着後の生存についての国外からの報告はNPPV (noninvasive positive pressure ventilation)も含まれており、TPPV (tracheostomy positive pressure ventilation)のみのデータは乏しい.
本邦の全国調査では,TPPV 例の生存期間(平均49.1 カ月)はTPPV 非施行群(平均35.8 月)に比して有意に長かった.
(桃井浩樹,進藤政臣,柳澤信夫ら.本邦における筋萎縮性側索硬化症の病勢経過 −厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究班調査より−.神経進歩 2004;48: 133-144. (b))
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当院のデータです(対象124人、TPPV施行群 30人、TPPV非施行群 94人)
対象者は、前の記事と同様で、300ヶ月を超える2ケースは除外しています。

罹病期間4
当院の生存期間はこの報告と比較すれば、かなり長期化していることがわかります。
当院のデータでも、TPPV施行群の方が有意に長いです。
当院が罹病期間などの「期間」を調査した場合、これまでの報告より長くなる傾向にあります。
このような報告は、専門病院や一般病院からの報告が主になります。
専門病院・一般病院と当院を比べると、
・在宅医療開始までに死亡してしまったケース(短期例)が、当院のデータに反映されない
・専門病院・一般病院では死亡まで追跡することが困難で、長期例が専門病院・一般病院に反映されない
ためと考えています。


TV期間

平均値、中央値ともに約7年です。
これまでTPPVを開始する際には、「5年間はやっていける準備はしましょう」と本人・家族にはお話していたのですが、これからは「7年間はやっていける準備はしましょう」と話さないといけないかと考えています。

家族介護者数
一方、TPPV施行群での同居している家族介護者数です。
他の疾患でも同様なのですが、とにかく家族介護者数「1」が多いのです。
家族介護者数「0」のお二人は、最終的に長期入院されています。

本人が希望すれば、TPPV導入することが可能な社会であって欲しいのですが、この家族介護者数では「公助」に頼らざるをえない現実もあります。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の罹病期間

  • 2014.03.16 Sunday
  • 08:00
先日のケースカンファレンスで、「球麻痺先行型のALSの症状進行は早い」との話題が出て、先日の研修会で「上肢型の進行は遅いわけではありません」と話したことを合わせて、当院で診療したALSの方の罹病期間を振り返ってみました。

【対象】
当院で診療(在宅医療)を担当したALS患者126人。

【方法】
初発症状により球麻痺型、上肢型、下肢型に分類。
呼吸筋麻痺に由来する症状が初発症状であったケース、初発症状が複数の領域に跨っているケースは、今回は除外。
長期入院している場合には、最終的に確認した日付を最終日とした。

【結果】
罹病期間1
除外する前の126人での罹病期間(死亡もしくはTPPV導入まで)です。
平均 60.1ヶ月、中央値 46.1ヶ月です。

罹病期間2
発症後300ヶ月以上経過した2ケースを除外した評価です。
1ケースは360ヶ月経過し、球症状、呼吸筋麻痺症状を認めておらず、
もう1ケースは320ヶ月経過し、構音障害はあるものの、嚥下障害・呼吸筋麻痺を認めていないことから、
今回の評価からは除外しています。
1ケースはすでに亡くなられているので、検討しようがないのですが、もう1ケースは現在も診療を継続しているので、
診断の再評価を行うかどうかを検討しても良いと思っています。
平均 50.2ヶ月、中央値 45.3ヶ月です。

罹病期間3
これまで、私が持っていた考え(文献的)は「球麻痺型」<「上肢型」<「下肢型」でした。
15年ほど前に読んだものに基づいた知識なのですが、整理が悪くて出てきませんでした。

今回の調査では、「球麻痺型」=「上肢型」<「下肢型」でした。
直接の死亡原因を調査し、考察を加えてから、どこかで発表しようと思います。

 


 

輪読会

  • 2014.02.26 Wednesday
  • 08:00
病院では普通に行われていると思いますが、クリニックに来てからはあまり縁がなくなってしまった輪読会。
読書好きの私は、読んで良かった本などをスタッフにお勧めしてきたのですが、あまり読んでもらった印象がないので、
輪読会を断続的ですが、行っていました。

患者数の増加で日常業務に追われ、また私の体調不良などがあり、長期間休止していましたが、再開します。
今回は「
真実を伝える―コミュニケーション技術と精神的援助の指針(ロバート・バックマン著)」です。

真実を伝える

この本のタイトルは「真実を伝える(How to Break Bad News)」なのですが、
「伝える」という一方的なものではなく、
「情報を共有(share)する」こと、医療者と本人・家族の双方向の取り組みが大切だということを教えてくれる本です。

この本を読み進めながら、
・SPIKES
・SHARE
の解説を加える予定にしています。

また、グリーフ・ワーク、スピリチュアル・ケアの観点から、どの時期にどのような説明を行っていくかをスタッフみんなで考える場にしたいと思っています。

施設での在宅医療について考えてみた(1)。

  • 2014.02.13 Thursday
  • 08:00
下のグラフは中医協で(診療報酬側の)委員から提出され使用された資料にあるものです。
看取り場所が不足するとの推計です。
死亡場所1
下のグラフは、それを受けて厚生労働省が中医協に提出した資料にあるものです。
容量オーバーをそのまま「その他」に繰り込み、グラフの中に持ってきています。
俗に言う「看取り難民」は作らないとの思いで作成されたグラフだと思います。
死亡場所2
この「その他」は何かというと介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等の既存の介護施設ではない「サービス付高齢者住宅」等だと、考えられていました。

当院の診療域は全国的に見ても、高齢者単身世帯の多い地域です。当院が診療を担当している施設にいる患者さんの86%は入所前は独居でした。つまり介護施設がなければ、独居生活を余儀なくされたということです。介護施設での在宅医療提供は、地域医療にとっては必要なことなのです。
「自宅での療養を支えることこそ重要だ」との意見をお持ちの方も少なからずいらっしゃると思いますが、当院で診療を担当している方々は、認知症周辺症状やパーキンソン病症状のために常時介護(見守り)が必要なので、巡回型では対応できません。
 
また「看取り」は医師が死亡確認を行なうのみではなく、日々の生活を支えるための診療(多くは認知症の周辺症状やパーキンソン病の症状コントロール)を行なうことで、本人・家族・ケアスタッフとの関係を構築します。
その関係性を築いた上で、今後、どのような症状が出て、どのように対処していくかを具体的にお話しながら、看取りに対する心構えをしていただくことになります。

平成20年度の当院で行なった調査では、診察時間、移動時間、処方箋やカルテ記入時間、日々の申し送り等などを含んだ
在宅患者の訪問診療1回にかかる時間は63分であり、施設患者では46分でした。
 
最近のケアスタッフは若い人が多く、自身の家族を看取ったことの無い人がそれなりにいらっしゃいます。
そのために「看取る」ことをケアスタッフに受容してもらうための研修は必須だと考え、この5年間は年数回 開催してきました。
最も多かった年度は、施設ケアスタッフ向け研修会は28回に及んだこともあります。

当院は、現在12ヶ所の介護施設(グループホーム、特定施設、サ高住)で診療を行っていますが、うち3ヶ所は1人ずつ、入居者全員の診療を担当している施設は現在のところ一つです。残りの多くも10人未満の施設が多いです。施設側は認知症周辺症状のコントロールが困難なケースや、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等の神経難病のケースを選んで、当院へ診療依頼されます。

当院のようなクリニックもある中で、施設専門クリニックの診療スタイルに合わせた診療報酬体系を設定されると、困ります。
今後はこれまでの診療スタイルを維持することは事実上、不可能だと考えます。
と愚痴ばかり言っていても始まらないので、介護施設の人たちと、どのような診療を提供していくかを考えてみることとしました。
とりあえず来週、「平成26年度の診療報酬改定に備えて」とのタイトルで、介護施設の施設長やスタッフの人たちと飲み会してきます。

大阪における在宅看取り

  • 2014.01.19 Sunday
  • 08:00
大阪大学医学部が中心となって、北摂7市(池田市、箕面市、豊中市、吹田市、茨木市、摂津市、高槻市)における急性期病院と在宅医の連携をどのように行うかを話し合う連絡会が持たれています。
この連絡会は、在宅医が急性期病院に入院を依頼する場合の問題点を抽出し、どのように解決していくかを建設的に話し合うことに焦点をあてていることです。

在宅医側からは、
・在宅患者の入院の実態調査(←これは3月の第16回在宅医学会大会 浜松で発表します)
・大阪府における在宅看取りに影響を与えている要因の抽出
を行う予定です。

急性期病院側からは、
・救急入院の実態調査(連携室、救急外来を経由したもの)
を行って頂く予定です。

いい機会ですので、大阪における在宅看取りについて、考えてみることにしました。
在宅看取り
左側は市町村別の在宅看取り率です。青色は大阪府の平均(18.2%)を超える市町村。赤色は全国の平均(16.1%)を下回る市町村です。最も高いのは河南町(人口 1.7万人)で25.2%、最も低いのは熊取町(人口 4.5万人)で9.3%です。
左側は人口1万人あたりの在支診・在支病(以下、在支診)数です。青色は大阪府の平均(2.1ヶ所)を超える市町村です。赤色は在支診のない市町村です。
ちなみに河南町に在支診はありませんし、熊取町には人口1万人あたりの在支診は2.2ヶ所で大阪府の平均を超えています。

北摂7市では、豊中市(22.6%)、池田市(20.3%)、吹田市(20.0%)、箕面市(18.7%)、高槻市(16.7%)、茨木市(14.3%)、摂津市(14.1%)であり、北摂7市といっても一括りにはできない印象です。

また各市町村の看取り率と以下のデータは相関がありませんでした。
・人口当たりの在支診数
・人口当たりの在宅患者数
・在支診が関わった全死亡患者率(在支診の関わった全死亡患者数/全死亡患者数)
・在支診が関わった自宅死亡患者率(在支診の関わった自宅死亡患者数/自宅死亡患者数)
・在支診が関わった施設死亡患者率(在支診の関わった施設死亡患者数/施設死亡患者数)
・在宅患者あたりの往診回数
・人口当たりの往診回数

在支診が患者数や看取り数は、その市町村にある在支診が診療を担当した患者数であり、その市町村のデータと直結するものではありませんが、近似値と考えて良いと思っております。
それは当院は近隣市の患者さんの診療を担当させていただいておりますが、近隣市にある在支診も当院のある豊中市の患者さんを担当しているためです。
また死亡場所のデータは最新のものが平成22年度のものであり、平成25年7月の在支診のデータを用いて処理することには無理があります。
 
(看取りに関しては大阪府が公開している平成22年度のデータを使用)
(在支診に関しては、近畿厚生局へ資料公開請求を行い入手した平成25年7月のデータを使用)
※在宅看取り:死亡場所が自宅と老人ホームであったもの。主に在宅医が看取りに関わるものを想定していますので、介護老人保健施設は入っていません。

市町村単位で見た場合、看取り率に影響を与えていると考えられる在支診に関するデータは見つけられませんでした。
次は在支診に焦点をあててみたいと思います。

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