院内症例検討会(平成26年04月)

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 08:52
当院は複数の医師(常勤 3人、非常勤 3人)、看護師(常勤 18人、非常勤 2人)、療法士 5人等で在宅医療(訪問診療、訪問看護、訪問リハ)、レスパイトケア入院を提供しています。
複数のスタッフで関わりを持つ場合、スタッフによって患者さんへの関わり方に対する考えが異なることがあります。みんなで同じ方向を向いて患者さんを支えるために、院内スタッフでカンファレンスを行っています。
またカンファレンスは、困難事例では他のスタッフにアドバイスを求める場としても活用しています。

原則的に、毎月開催しておりますが、個人が特定されてしまう可能性が高い場合や、公開することで影響が大きすぎると考えられる場合は、ブログにはアップしておりません。今回も、実際に使用した薬剤などに関しては記載を控えています。
今回は久しぶりのアップです。

 
【問題点】
介護施設でALS患者の緩和ケアを行う時の問題点

70歳代 女性 筋萎縮性側索硬化症 NPPV、酸素療法、胃瘻
当院が係るようになって1年半が経過しています。
当初は、旦那さんと二人暮らしで種々のサービスを受けながら自宅で過ごされていました。
同年代の旦那さんの認知症が進行し、介護施設へ入所されることになり、自宅での療養継続が困難になりました。
そのため、本人も介護施設へ入所することになりました。

介護施設入所時の、ご本人の意向は
「とにかく痛みを取ってほしい」

「喋れなくなってもいいので早く楽になりたい」
「呼吸器はつけたくない」
でした。

モルヒネの増量により痛みの訴えは消失していました。
検討課題は、最近出現するようになった「譫妄」と、増悪してきた「不安」にどのように対処すれば良いか でした。

まず「譫妄」の原因については、薬剤性のものが考えられ、薬物の整理が提案されています。
また「不安」の増悪に対して、薬物療法が提案されています。

介護施設での問題点は、
・交代勤務のスタッフでは、薬物療法の効果判定は難しい
・急に強くなった症状に対するレスキュードーズの使用が難しい
 (看護スタッフがいない夜間には、レスキュードーズを使用するか否かの判断が出来ない、判断できても注入できない)

そのために、どうしても薬物療法を行うためにはオーバードーズ気味に薬物を使用せざるを得なかった。

この施設は「看取り」「パーキンソン病」等の研修を実施しており、これまでも多数の利用者の方々を看取ってきた実績があります。
しかしALSの方の入所は初めてであり、呼吸苦などあまり経験したことのない症状に対するスタッフの不安を私たちが少し甘く見ていた感があります。施設スタッフの不安が、本人の不安増悪の一因になった可能性はあると考えています。
今後は、施設スタッフにも自宅で行っているように「事前に予想される症状について理解してもらう」ための説明が必要と考えました。

【まとめ】
・介護施設に入所するALS患者が増加してきている。(←平成25年度は5人)
・頻回の吸引が必要でない限り、日常的なケアは介護施設で実施可能。
・レスキュードーズの使用が難しい。症状が抑え込むような積極的な薬物療法を行うことを検討する。
・施設スタッフの不安を軽減するためのアプローチが重要
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM