ALSにおいて気管切開・人工呼吸管理はどの程度の期間になるのか。

  • 2014.03.18 Tuesday
  • 07:00
ALSの方の診療を行っていると、「気管切開・人工呼吸管理を行うか否かを決める」ための意思決定を支援する場面は避けて通ることは出来ません。

その中で、介護を担当するご家族からは「どの程度の期間」という質問が少なくありません。
最近は、呼吸理学療法やカフアシストの導入などで、肺炎の頻度が減少し、これまで治らないと思っていたレベルの肺炎が治るようになった印象を持っていました。

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ALS診療ガイドライン2013より
呼吸器装着後の生存についての国外からの報告はNPPV (noninvasive positive pressure ventilation)も含まれており、TPPV (tracheostomy positive pressure ventilation)のみのデータは乏しい.
本邦の全国調査では,TPPV 例の生存期間(平均49.1 カ月)はTPPV 非施行群(平均35.8 月)に比して有意に長かった.
(桃井浩樹,進藤政臣,柳澤信夫ら.本邦における筋萎縮性側索硬化症の病勢経過 −厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究班調査より−.神経進歩 2004;48: 133-144. (b))
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当院のデータです(対象124人、TPPV施行群 30人、TPPV非施行群 94人)
対象者は、前の記事と同様で、300ヶ月を超える2ケースは除外しています。

罹病期間4
当院の生存期間はこの報告と比較すれば、かなり長期化していることがわかります。
当院のデータでも、TPPV施行群の方が有意に長いです。
当院が罹病期間などの「期間」を調査した場合、これまでの報告より長くなる傾向にあります。
このような報告は、専門病院や一般病院からの報告が主になります。
専門病院・一般病院と当院を比べると、
・在宅医療開始までに死亡してしまったケース(短期例)が、当院のデータに反映されない
・専門病院・一般病院では死亡まで追跡することが困難で、長期例が専門病院・一般病院に反映されない
ためと考えています。


TV期間

平均値、中央値ともに約7年です。
これまでTPPVを開始する際には、「5年間はやっていける準備はしましょう」と本人・家族にはお話していたのですが、これからは「7年間はやっていける準備はしましょう」と話さないといけないかと考えています。

家族介護者数
一方、TPPV施行群での同居している家族介護者数です。
他の疾患でも同様なのですが、とにかく家族介護者数「1」が多いのです。
家族介護者数「0」のお二人は、最終的に長期入院されています。

本人が希望すれば、TPPV導入することが可能な社会であって欲しいのですが、この家族介護者数では「公助」に頼らざるをえない現実もあります。
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