施設での在宅医療について考えてみた(1)。

  • 2014.02.13 Thursday
  • 08:00
下のグラフは中医協で(診療報酬側の)委員から提出され使用された資料にあるものです。
看取り場所が不足するとの推計です。
死亡場所1
下のグラフは、それを受けて厚生労働省が中医協に提出した資料にあるものです。
容量オーバーをそのまま「その他」に繰り込み、グラフの中に持ってきています。
俗に言う「看取り難民」は作らないとの思いで作成されたグラフだと思います。
死亡場所2
この「その他」は何かというと介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等の既存の介護施設ではない「サービス付高齢者住宅」等だと、考えられていました。

当院の診療域は全国的に見ても、高齢者単身世帯の多い地域です。当院が診療を担当している施設にいる患者さんの86%は入所前は独居でした。つまり介護施設がなければ、独居生活を余儀なくされたということです。介護施設での在宅医療提供は、地域医療にとっては必要なことなのです。
「自宅での療養を支えることこそ重要だ」との意見をお持ちの方も少なからずいらっしゃると思いますが、当院で診療を担当している方々は、認知症周辺症状やパーキンソン病症状のために常時介護(見守り)が必要なので、巡回型では対応できません。
 
また「看取り」は医師が死亡確認を行なうのみではなく、日々の生活を支えるための診療(多くは認知症の周辺症状やパーキンソン病の症状コントロール)を行なうことで、本人・家族・ケアスタッフとの関係を構築します。
その関係性を築いた上で、今後、どのような症状が出て、どのように対処していくかを具体的にお話しながら、看取りに対する心構えをしていただくことになります。

平成20年度の当院で行なった調査では、診察時間、移動時間、処方箋やカルテ記入時間、日々の申し送り等などを含んだ
在宅患者の訪問診療1回にかかる時間は63分であり、施設患者では46分でした。
 
最近のケアスタッフは若い人が多く、自身の家族を看取ったことの無い人がそれなりにいらっしゃいます。
そのために「看取る」ことをケアスタッフに受容してもらうための研修は必須だと考え、この5年間は年数回 開催してきました。
最も多かった年度は、施設ケアスタッフ向け研修会は28回に及んだこともあります。

当院は、現在12ヶ所の介護施設(グループホーム、特定施設、サ高住)で診療を行っていますが、うち3ヶ所は1人ずつ、入居者全員の診療を担当している施設は現在のところ一つです。残りの多くも10人未満の施設が多いです。施設側は認知症周辺症状のコントロールが困難なケースや、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等の神経難病のケースを選んで、当院へ診療依頼されます。

当院のようなクリニックもある中で、施設専門クリニックの診療スタイルに合わせた診療報酬体系を設定されると、困ります。
今後はこれまでの診療スタイルを維持することは事実上、不可能だと考えます。
と愚痴ばかり言っていても始まらないので、介護施設の人たちと、どのような診療を提供していくかを考えてみることとしました。
とりあえず来週、「平成26年度の診療報酬改定に備えて」とのタイトルで、介護施設の施設長やスタッフの人たちと飲み会してきます。
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