院内症例検討会(平成25年10月)

  • 2013.10.11 Friday
  • 15:45
当院は複数の医師(常勤 4人、非常勤 3人)、看護師(常勤 18人、非常勤 2人)、療法士 5人等で在宅医療(訪問診療、訪問看護、訪問リハ)、レスパイトケア入院を提供しています。
 
複数のスタッフで関わりを持つ場合、スタッフによって患者さんへの関わり方に対する考えが異なることがあります。みんなで同じ方向を向いて患者さんを支えるために、院内スタッフでカンファレンスを行っています。
またカンファレンスは、困難事例では他のスタッフにアドバイスを求める場としても活用しています。
 
【問題点】
ALS患者の呼吸苦を緩和するためにどのような介入をすべきか?
 
50歳代 男性 筋萎縮性側索硬化症
 
当法人からの訪問診療、訪問看護、訪問リハビリを行っている。
他の事業所から訪問看護、多数の事業所より訪問介護を受けている。
発症後 7年、気管切開・人工呼吸管理を開始してから5年が経過している。
人工呼吸器は開放式回路を使用。酸素療法は行なっていない。

現在も、1時間程度は呼吸器からの離脱は可能。
これまでに一度だけ、Auto-PEEPを疑う症状を認め、バックアップの呼吸数を減らし、吸気時間を減らすなどの人工呼吸器の設定変更を行っている。
ヘビースモーカーであったが、肺気腫と診断されたことはないとのこと。

最近、「息が吐けない感じがする」との表現で呼吸苦を訴える頻度が増加している。
人工呼吸器を外して欲しいとの訴えがあり、外すと楽になることがある。
カフアシスト・スクィージングを行なうと呼吸苦は一過性に軽快しているが、短時間で再び呼吸苦を訴えている。
呼吸数は14回/分、吸気時間 1秒(IE比 1:3.3)、PEEP 5hPaであった。
スクィージングを行なってうと胸郭が硬い印象はある。

「吐きにくい」との訴えであったので、PEEPを5hPaから2hPaへ変更。
人工呼吸器を外して欲しいとの訴えは消失しているが、呼吸苦の訴えは持続しカフアシスト・スクィージングをして欲しいとの訴えが頻回にある。

このケースは、ヘビースモーカーであったことから肺気腫を合併している可能性はある。
肺気腫では強い陰圧をかけると肺胞が虚脱してしまうためにカフアシストを使用しても、十分に吐けていない可能性もある。
また肺気腫では、肺のコンプライアンスが高いため肺が十分に収縮せずにに息を吐き出せていない可能性もある。


肺活量が良い状態で、気管切開・人工呼吸管理を開始すると初期にファイティングなどで気道内圧が高い時期を経験するケースがある。
このようなケースは人工呼吸管理開始してから数年間経過すると、肺の線維化のためか気道内圧が高くなることがある。
しかしこのケースは、肺気腫のために肺のコンプライアンスが高くなっている可能性があり、そのために気道内圧が高くなっていない可能性がある。


【対応】
呼吸器の原因は特定できていないが、肺気腫合併により肺のコンプライアンスが高く、呼気時の収縮性が低くなっているために「吐けない」との訴えが出ている可能性を考える。
確認のために胸部CTを行うことを提案している。
また治療としては、「PEEPをかける」「呼気時間を十分にとる」「酸素療法を併用する」となると考えられる。
このなかで
PEEPをかける」「呼気時間を十分にとる」はすでに行なっており、「酸素療法を併用する」を行なう予定としている。
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