第4回北摂在宅医療症例検討会のご報告(2)

  • 2013.07.13 Saturday
  • 17:00
グループワーク開始後、ファシリテータ1人、書記1人、発表者1人、観察者1人をグループ内で話し合って決めていただきました。
第1回、第2回へ観察者はこちらで決めさせていただきましたが、第3回目以降は観察者もグループ内で決めていただきました。

観察者は、グループワークで話し合われている内容に立ち入らずに、話し合いの進め方の観察と評価をお願いしています。

グループワークに医師が入ると、ファシリテータをせざるを得ないか、参加者が医師の意見を聞こうとする傾向があるので、前回は医師に観察者をお願いしましたが、今回はそこも含めてグループで協議していただきました。

今回は、医師がメンバーの一人として参加しても、他の職種の方々も自由闊達な意見交換ができるようになってきたと思えました。
参加する医師は、毎回ほぼ同じメンバーなので、医師も主導しないことに慣れてきたようです。

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【観察者の方々へのお願い】
・グループワークの進め方に対する評価をお願いします。
 話し合われた結果の内容へのコメントは避けてください。
・終了後に好評をお願いします。可能な限り良い点を取り上げてください。
・話し合いで意見が出ない、または意見の整理がつかず膠着状態になった場合はアドバイスをお願いします。
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検討会1
(症例提示を行う古河聡先生)
検討会2
(参加者の様子)

【ケースの概要】
50歳代 女性 脳出血後遺症

これまで受診歴なし。

約8か月前に、脳幹出血発症。四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認めている。
急性期病院(1か月)、回復期リハ病院(5か月)、療養病院(2か月)を経て、自宅へ戻っている。
療養病院転院時には四肢麻痺・寝返り不可、経鼻胃管を介した経管栄養を行っていた。
療養病院へ転院後、トロミ食であれば経口摂取が可能となり、自宅へ戻っている。
構音障害も改善してきているが、数回聞きなおすと理解できる程度であった。
明らかな高次機能障害は認めていない。

身体障害者(1級)、要介護5

子供はなく、夫は日中は就労しており、日中独居の状態。
夫の休みは月1回以下。
月収は25万円を超える。
エレベータのない集合住宅の2階に居住。

退院当初のサービス
オムツ交換等のために1日3回、訪問介護を受けている。
他に訪問診療、訪問入浴サービスを利用し、介護保険利用限度額を超え、数万円の自己負担が発生している。

退院後、排便困難に対して訪問看護導入(特別指示による医療保険で実施)している。

その後、夫より訪問リハビリテーションの希望が出てきている。

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こういったケースのプレゼンテーションではすべての情報を提示できるわけではないので、判断するために必要な情報・状況は「自分達で勝手に設定を決める」ようにしていただいています。
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検討会3
(グループワークの様子。今回は声の大きな人がいなくて、落ち着いたグループワークになりました。)

【医療的問題】
脳出血後遺症としての四肢麻痺、球麻痺(構音障害、嚥下障害)を認めている。
これらの後遺症に対して、リハビリテーション導入を考える。
食生活を含めた生活指導が必要と考えられる。

【心理的問題】
明らかな高次機能障害は認めていない。
構音障害のため意思表出が困難であり、ストレスに繋がっている。

【社会的問題】
月収はそれなりの額であるが、貯蓄はない。
経済状況をサービス提供者側(ケアマネジャーを含めて)が把握できていない。
経済的問題で新たなサービス導入が困難であれば、特別障害者手当の申請を行う。
経済的問題で、これ以上のサービス導入は困難である中で訪問看護、訪問リハ導入をどのように行うか。
家族介護者が夫のみであり、就労のため介護に専念できない。
夫の介護負担が大きい。
本人の構音障害のために、妻の思いを聞き出すのに時間がかかりストレスになっている。
虐待につながる可能性を考慮する必要がある。


【設問3】訪問リハビリテーションを導入して欲しいとの希望に、あなたはどう答えますか?
 ・このケースで期待できるリハビリテーションの効果は?
  約8ヶ月間、病院でリハビリテーションを行っていたケースであり、実施量を確保しにくい在宅のリハビリテーションを行っても効果がないのではないか。
  最も効果的であったとしても、現状維持が精一杯ではないか。
  拘縮予防や生活リハビリテーションのための評価、介護者に対する指導は意味がある。
  住環境や福祉用具導入を指導することで、介護量を減らすことが出来る。
  誤嚥のリスク、褥瘡のリスクを減少させることが出来る。

 ・訪問リハビリテーションの要・不要を評価してください。
  5グループの内、4グループで必要との判断であった。1グループは結論が出ていない。
  質問が曖昧であったために、参加者は少し混乱されたようです。
  「現在の介護保険の利用限度額を超え、自己負担が出ている状況の中で、
   ・他のサービスを減らして、訪問リハビリを導入する。
   ・全額自己負担でも、訪問リハビリを導入する。
   ・訪問介護を、障害者総合支援法などの他の制度を利用し、利用限度枠に余裕を持たせるような工夫を行う。
   ・その他」
   などの具体的なプランを提示して欲しかったのですが、要・不要のみで議論されたようです。

  ここで、フロアから出された意見で、
  「療法士に訪問リハビリが必要ですか?と聞けば必要と答える。訪問看護師に訪問看護が必要ですか?と聞けば必要と答える。そして量は多い方が良いとなる。これらを積み上げると、利用限度額はあっという間に超えてしまう。必要なサービス内容や量は誰が決めていけば良いと思いますか?」というものがありました。
  多くの人の答えは「ケアマネジャー」です。しかし「アセスメントの出来ないケアマネジャーが多いことも現実であり、調整機能を果たしていない人が多い」と考えている参加者が多かったです。

 ・必要と判断した場合、実際に導入するためにどのような対応を取りますか?
  経済的問題をクリアにする必要がある。
  夫婦2人暮らしで、月収25万円あれば生活には支障がないのではないかと考えられた。
  月収が減ったとしても、夫の仕事量を減らし、介護にあたる時間を減らす。
  短期的に訪問リハビリを導入し、将来的に訪問看護師のリハビリテーションへスイッチする。(←この意見は訪問療法士より出されました。)
  短期的に訪問リハビリを導入し、デーサービス・デイケアへスイッチする。
  ショートステイ・レスパイトケア入院を利用し、自宅でのサービス量を減らす。
  生活保護の申請を行う。

 ・不要と判断した場合、代替案はありますか? また夫にどのように説明しますか?
  介護施設への入所。

【まとめに代えて】
経済的に困窮(?)しているケースで、どのようにサービス間の思いを調整していくかが問題になりました。

ここでは、記載していませんが、夫のお金の管理(使い方)に問題があるのではないかと考えさせられました。
また、理も非もなく「リハビリが必要」と頭に浮かぶと、経済的な問題等を考えずに「リハビリ導入」に突き進む様子など、夫の高次機能障害も念頭におかなければならないケースと考えられました。

今回のキーセンテンスは、
「療法士に訪問リハビリが必要ですか?と聞けば必要と答える。訪問看護師に訪問看護が必要ですか?と聞けば必要と答える。そして量は多い方が良いとなる。これらを積み上げると、利用限度額はあっという間に超えてしまう。必要なサービス内容や量は誰が決めなければならない。
だと思います。

検討会4
(高橋先生の講義)
生活期のリハビリテーションを中心に、癌患者のリハビリテーションなど内容豊富なお話を聞かせていただきました。

検討会5
(懇親会)
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
当院ダイエット部からも3人出席しており、皆で食事の勧め合いが行われていました。
この場で、本をお貸しする約束も出来ました。
飲み二ケーションは連携に効果的か否かとの研究も、今回のテーマの一つでしたが、結論は「効果的ではない」になりそうです。理由は「懇親会に参加する人は、元々連携に困ってない」です。懇親会に参加しなかった人が、参加するような工夫が必要なのだと思いました。
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