院内症例検討会(平成25年05月)

  • 2013.05.10 Friday
  • 15:45
当院は複数の医師(常勤 4人、非常勤 3人)、看護師(常勤 18人、非常勤 2人)、療法士 5人等で在宅医療(訪問診療、訪問看護、訪問リハ)、レスパイトケア入院を提供しています。

複数のスタッフで関わりを持つ場合、スタッフによって患者さんへの関わり方に対する考えが異なることがあります。みんなで同じ方向を向いて患者さんを支えるために、院内スタッフでカンファレンスを行っています。
またカンファレンスは、困難事例では他のスタッフにアドバイスを求める場としても活用しています。

50歳代 男性 気管切開・人工呼吸管理を受けているALS症例

当院より訪問診療を行っており、定期的にレスパイトケア入院を利用されている。
胃瘻を介した経管栄養を行なっている、介助下で経口摂取もされておられる。
徐々に嚥下障害が増悪してきており、これまでの食物形態では誤嚥が認められるようになっている。

本人の「食べたい気持ち」は強いことは確認できている。
 これまでも誤嚥性肺炎を数回認めている。
 気管カニューレやエバックから食物が吸引されることもあり、 誤嚥性肺炎のリスクが高いことは何度となく説明を行っている。
 しかし病識の欠如のためか、誤嚥性肺炎が死に至る病態であることを理解・納得されているようには見受けられない。

 主介護者(妻)は、自宅では本人の希望に沿って、食事介助を行なっているが、誤嚥性肺炎のリスクに関して、どのように思っておられるのかが確認できていない。

 舌の動きが悪く、食物の送り込みは不十分である。
 嚥下も悪く、食物が喉頭蓋谷や梨状窩へ残っている。
 これまでは、食事とゼリーの交互嚥下を行なうことで、食物が吸引されることが少なかったが、最近は交互嚥下を行なっても食物が吸引されることが多くなっている。
 現在の嚥下機能では、ゼリー食が適当な食物形態と考えられる。
 ミキサー食やゼリー食は食べた気がしないとのことで、拒否されることが多い。
 味覚より食感を重視されている。

 嚥下しやすい姿勢などの指導を行なっているが、本人が受け入れないために行なえていない。

【問題点】
このまま経口摂取を継続して良いか?

【他の部署からの情報、意見】
これまでのレスパイトケア入院中は、食事中や食後には、咽ることが多く吸引が必要であった。
その時にはその時点で食事を中止することが多かったが、次の食事からは再び食べたがっている。
介助する看護師としては誤嚥性肺炎のリスクが高いことから、レスパイトケア入院中は、経口摂取は制限(全面的な中止ではなく、嚥下しやすい食物形態のものへ限定)したいと考えている。

「本人・家族が誤嚥性肺炎のリスクを理解・納得しているのであれば、特に経口摂取に制限を設ける必要はないのではないか」や「無理を押して経口摂取を継続していることでもあり、誤嚥性肺炎を併発した場合にはバックアップ病院へ入院での加療を依頼することは心苦しい」との意見も出されている。

【対応】
本人・家族の明確な意向が示されていない現状では、重症肺炎になった場合には、バックアップ病院へ入院加療を依頼せざるをえないと考えられる。
そのためにレスパイトケア入院中は、食事の制限(現在の嚥下機能で誤嚥のリスクが少ないと判断される食物形態のものに限定)することとした。
自宅での食物形態に関しても、本人・ご家族に説明・指導を行っていくこととした。

妻の気持ちを確認することとした。
その上で、今後の経口摂取をどのように考えるかを再考することとした。

・レスパイトケア入院を利用している方には、当院で準備している意思伝達装置を試用のために貸し出すこととした。そのために必要な書類などを準備している。
難病情報センター等の公的機関に、当該患者が試用できるような貸し出し用機器の有無を確認したところ、現在は準備されておらず、今後も準備する予定はないとの返答であった。を置けば、当院を利用していなくとも試用できる方が増えるのではないか、との意見も出されていた。
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