在宅人工呼吸管理(6)

  • 2013.05.03 Friday
  • 08:00
3: 気管カニューレの管理
[気管カニューレの選定]
・TPPV患者に使用する気管カニューレには「人工呼吸器とのインターフェイス」「喀痰吸引路の確保」「上気道・下気道の分離」の機能が求められる。

・「人工呼吸器とのインターフェイス」「喀痰吸引路の確保」には種類によって大差はないが、「上気道・下気道の分離」機能は気管カニューレの種類によって異なる。

・気管の形状は多様であり、唾液誤嚥予防のためにはカフが大きく、薄いものを推奨する。(スライド005)
HMV6HMV7
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【スライドの解説】
気管の断面は正円形ばかりではなく、図(1)に示すように多様である。
図(2)に示すように、小容量のカフを使用した場合には、カフと気管の間に隙間は出来てしまう。
大容量のカフを使用することで気管との隙間を埋めることが出来る。その際には気管に沿うためにはカフが薄い必要もある。
HMV患者の多くは球麻痺(誤嚥傾向)を伴っている場合が多く、唾液を誤嚥しそれが喀痰吸引の原因になる場合が多い。
大容量カフを使用することで、吸引回数を減少させることが可能である。
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・HMV患者は誤嚥傾向がある場合が多く、カフ上部吸引機能は必須である。

・カフ圧の自動調整を行う気管カニューレを使用すればカフ圧計は不要である。(例:コビディエン トラキオソフトシリーズ ランツシステム(R))

・喀痰自動吸引機能付き気管カニューレを使用すれば、喀痰吸引の頻度を減少させることが出来る。(例:コーケンネオブレス ダブルサクションタイプ(R))

・スピーキングバルブ機能を持つ気管カニューレを使用すれば、構音障害が軽い場合には発声は可能となる。(例:インターメド Blom気管切開チューブ(R))

・喀痰量が多く気管カニューレの内腔に狭窄が認められる場合には、二重管を選択する。

・機能によって、気管カニューレの材料価格基準は異なる。また販売価格が、診療報酬上の材料価格基準を超えるものもあり、気管カニューレを選択する際にはコスト面も考慮する必要がある。
HMV8

[気管カニューレの固定]
・気管カニューレはカニューレホルダー(ネックホルダー)等で固定する。強く締めすぎると顔面浮腫の原因になるので、指が両側に一本ずつ入る程度に固定する。(スライド007)

・気道食道分離(喉頭摘出術)を行なっている場合には、横方向のみの固定では事故抜去の可能性が高い。(スライド007)
HMV9
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【スライドの解説】 
(左上)ネックホルダーで固定する。
(右上)体位交換などで気管カニューレと回路が外れてしまう場合があるために、ゴムなどで補助することがある。咳嗽が強い場合には、回路が外れないと気道内圧が高くなりすぎて危険な場合があるので、全例に適応になるわけではない。神経筋疾患の場合には咳嗽が弱い、もしくは無い場合が多いので使用することが多い。使用するゴムは特殊なものではなく、一般的に発売されているヘアゴム等を使用している。
(左下)両サイドに指が一本ずつ入る程度に固定する。強く締めすぎると顔面浮腫の原因になる。
(右下)気道食道分離(喉頭摘出術)を行なっている場合には、気管カニューレが上方へ動き事故抜去しやすいので、横方向に加えて、下方向へ引っ張ることも必要になる。この例では、弾性包帯を背部から脇の下から通している。
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・気管カニューレの固定が正しい位置にない場合には、吸引肉芽が出来る可能性が高い。気管とカニューレが並行に位置するようにガーゼなどを用いて調整する。
HMV10HMV11
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【スライドの解説】 
[008-1]
(左上)気管カニューレは、「カフと気管」「カニューレと気管切開口」で固定されている。
(右上)頚部が後屈している場合には、気管切開口が下方向へ傾くことが多い。
(左下)気道食道分離(喉頭摘出術)を行なっている場合は、上方の気管切開口はなく上方向への力が働いてしまう。
(右下)頭頚部の不随意運動がある場合などは気管切開口は拡大する。頚が細くネックホルダー等で強く締めた場合には後方への力が働き、傾く原因となる。
[008-2]
(左上)気管カニューレは種々の原因で傾くことがある。先端が前方を向くことが多い。同じ種類のカニューレを使用していると、同じ位置に固定され吸引チューブが同じ場所にあたることになる。その位置に吸引肉芽を作ることがある。「吸引チューブが何かにあたり奥まで入らない」「気道内圧が高い」場合などは、吸引肉芽を疑う。
(右下)ガーゼなどを使用し、気管と気管カニューレが並行になるように調整する。
(左下)この例では、ガーゼを5枚使用することで、気管と気管カニューレが並行になることを確認している。
[008-3]
(左)気管カニューレの先端が前方へ向いていることがわかる。その先に肉芽が形成されている。
(右)気管支ファイバーによって、吸引肉芽を確認。
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