在宅人工呼吸管理(5)

  • 2013.05.02 Thursday
  • 08:00
2: 人工呼吸器の設定

[基本的な考え方]
・基本的な人工呼吸器の設定方法は成書を参照していただきたい。

・神経筋疾患等ではTPPV導入時に意識レベルが保たれていることが多く、血液ガス分析上、大きな異常がない限り本人の症状を優先し、呼吸器の設定を決定する。

・人工呼吸器の設定は疾患・自発呼吸の有無で異なることが多い。

・症状の進行に伴い設定の変更が必要であることを念頭に置いておく。

・神経筋疾患患者の場合は、肺内シャントが小さく血液ガス分析はSpO2、EtCO2で代用することが可能である。

[具体的な設定方法]
・通常、自発呼吸がある場合は同期的間欠的強制的換気 (Synchronized Intermittent Mandatory Ventilation:SIMV)、自発呼吸が弱い・無い場合はA/C(Assist/Control)とする。

・成人の神経筋疾患患者では、量制御(ボリューム・コントロール)を選択することが多い。

・SIMV、ボリューム・コントロールの場合、設定する項目は、「一回換気量()」「呼吸数()」「呼吸時間()」「PS(pressure support:プレッシャー・サポート) ()」「PEEP(Positive Endexpiratory Pressure:呼気終末陽圧) ()」「圧トリガー()」「各種アラーム」である。

HMV5


・外傷による脊髄損傷等と異なり、ALS等の神経筋疾患では自発呼吸が残っている時期にTPPVを導入することが多い。自発呼吸があり、ボリューム・コントロールで呼吸困難感が増強する場合には気切バイレベル(気管切開口からのBilevel positive airway pressure :BiPAP)を試してみる。

・導入当初は、夜間・睡眠時のみというように間欠的使用することもある。

・自発呼吸がしっかりしている場合にはバックアップ数は少なくて良い(8-10回/分)。自発呼吸が弱くなった場合や無くなった場合にはバックアップ数を増やす(10-14回/分)。

・ファイティングが多い場合には、呼吸数を14回/分程度まで増やし、自発呼吸を減弱させ、人工呼吸器による補助呼吸が中心になるようにする。その場合、二酸化炭素分圧は低下することが多いが、極端に低下しない限り気にしない。

・自発呼吸がない場合は、一回換気量を大きくし(15mL/kg程度)、無気肺の予防に務める必要がある。

・無気肺予防の為に、PEEPを4hPa程度に設定する。

・咳嗽が弱い場合には、排痰補助装置の使用を考慮する。排痰補助装置は無気肺予防にも効果がある。

・人工呼吸器誘発肺損傷(ventilator-induced lung injury:VILI)の容量損傷(Volutrauma)を避けるために、一回換気量を20mL/kg以下に、圧外傷(Barotrauma)を避けるために最高気道内圧 (Peak inspiratory pressre:PIP)を20hPa以下にコントロールするように設定する。

[意見の分かれている問題点]
・加温加湿器には精製水を使用することを取り扱い業者は推奨しているが、精製水を使用しなければならない科学的な根拠はない。

・気道感染症の観点からは回路の交換は破損が無い限り必要ないとされているが、在宅では破損しても速やかに交換できる環境にないことが多いので、ディスポーザブル回路を用い、1ヶ月に1回程度交換する。

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