有床診療所におけるレスパイトケア入院はビジネスとして成立するか?(第2報)(2)

  • 2012.09.29 Saturday
  • 09:00
レスパイトケア入院の入院先確保事業は、平成10年に国の難病対策の「重症難病患者入院施設確保事業」として制度化されたと考えています。
ここで「重症難病患者入院施設確保事業」のおさらいをしてみましょう。

各都道府県に、その調整役として「難病医療専門員」が配置されている難病情報センターが開設されている。
大阪府の場合は、府立急性期・総合医療センター内にあり、和歌山県や三重県のように大学内(多くは神経内科教室に併設)に開設されており、都道府県により異なります。
また近隣では奈良県のように開設されていない都道府県もあります。
(全国で、青森県、奈良県、沖縄県は開設されていない。)

以下に、重症難病患者入院施設確保事業(http://www.nanbyou.or.jp/entry/1728)の概要を記します。

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 都道府県は、概ね二次医療圏ごとに1ケ所ずつの難病医療協力病院を整備し、そのうち原則として1ケ所を難病医療拠点病院として指定し、重症難病患者のた めの入院施設の確保を行い、また重症難病患者の受け入れを円滑に行うために、拠点病院、協力病院、保健所、関係市町村等の関係者によって構成される難病医 療連絡協議会を設置し、さらにこの事業を円滑に行うために保健師などの資格を有する難病医療専門員を配置するとしています。その結果、重症の難病患者が、 必要な場合に入院することができる医療体制を整備し、難病患者及び家族の療養生活の安定を図る事業です。

1 事業の実施主体 
都道府県 

2 対象患者 
難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野)の対象疾患患者 

3 実施方法 
都道府県は、難病医療連絡協議会(連絡協議会)を設置するとともに、概ね二次医療圏ごとに1ケ所ずつの難病医療協力病院を指定し、そのうち原則として1か所を難病医療拠点病院に指定して、重症難病患者のための入院施設の確保を行う。 

 ‘馼属緡渡⇒躑┻腸 
・拠点病院、協力病院、保健所、関係市町村等関係者で構成 
・難病医療専門員(保健師など)を原則1名配置 
・拠点病院、協力病院への入院患者の紹介、患者等からの各種相談に対応 

◆‘馼属緡典鯏隻賊 
・難病医療相談窓口の設置(必要に応じて相談連絡員1名を配置) 
・協力病院からの要請に応じて高度の医療を要する患者の受け入れ 
・医療従事者向け難病研究会の開催 
・関係機関、施設への医学的な指導・助言 

 難病医療協力病院 
・拠点病院からの要請に応じて患者の受け入れ 
・地域施設への医学的な指導・助言 

ぁ〆濛靂斗榁罎僚転鋲馼卒擬圓任△辰董介護者の事情により、在宅で介護をうけることが困難になった場合に、一時的に入院することが可能な病床を、各都道府県の拠点病院等に確保する。

※平成22年度新たにい在宅療養中の重症難病患者のレスパイト入院のための病床を確保するための事業として実施されることになり、さらに難病医療体制の整備を図るとしています。
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難病医療専門員は本来、重症難病患者入院施設確保事業の調整役として配置された経緯から考えると、い平成22年度に明文化されたことに驚きます。

以上は、難病医療専門員が多く参加する、この研究会ではおさらいする必要なない部分ですので、スライドには起こしていません。


以下、発表へ戻ります。

スライド1-4

今回の第2報では、平成24年度の診療報酬改定が有床診療所のレスパイトケア入院に与えた影響と、病棟看護師・介護士の業務量を調査し、患者特性に応じた診療報酬を考える。

スライド1-5

結論からすると、平成24年度の診療報酬改定ではレスパイトケア入院の診療報酬はマイナス改定であった。というか変化なし。
第1報と同様に、12000円/日の診療報酬増額がないと病棟が維持できないことが明らかになった。
業務量調査から明らかになったことであるが、意思疎通が困難な患者の看護・介護量は意思疎通が可能な患者や意思疎通が不可能な患者の患者の看護・介護量の2.5〜3.5倍である。
一定の施設基準や患者の基準を設ける必要はあるが、コミュにケーション援助加算(4500点/日)を新設しない限り、意思疎通が困難な患者のレスパイトケア入院を受け入れる事業は継続させることは困難と考える。

経営的視点から考えれば、事業継続のためにはコミュにケーションエイドやオリジナル・スイッチの持ち込みを禁止する等の方法で、意思疎通が困難な患者の看護・介護量を減らすことも考慮すべきプランである。
しかし、このプランを導入すれば、意思疎通が困難な患者の多くはレスパイトケア入院を行わなくなる可能性が高い。

最も家族の介護負担が大きいと考えられている意思疎通が困難な患者の受け入れが出来ないのであれば、レスパイトケア専門病棟の存在意義が問われると考えている。

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