アリセプト使用上の注意(2)

  • 2012.09.21 Friday
  • 08:00
 アリセプトの使用上の注意点はエーザイのホームページをご覧ください。

この記事ではその中で中等度以上の認知症患者の診療に際して、特に注意が必要な点をピックアップします。


第讃 注意すべき副作用とその対処法
Q.「アリセプトの主な副作用にはどんなものがありますか?」
A.「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症に対するアリセプトの主な副作用は、食欲減退(1.79%)、悪心(1.76%)があります(軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症承認時、及び再審査終了時(使用成績調査))。
高度のアルツハイマー型認知症に対するアリセプトの主な副作用は、食欲減退(8.81%)、悪心(8.03%)、嘔吐(6.99%)、下痢(4.92%)があります(高度のアルツハイマー型認知症承認時)。」

頻度として高いものは嘔吐・下痢等の消化器症状が挙げられていますが、3mgで開始し増量するとしても、2週間以上経過してから5mgへ増量した場合には、それほど目立つ症状ではありません。
自験例では、消化器症状が原因でアリセプトを中止・減量したことはありません。
食欲減退も経験したことはないのですが、アパシーの増悪に伴う経口摂取量減少はそれなりの頻度(5%程度)で認めています。

医療・介護上問題となる副作用は、
‐覗膣供興奮などの陽性心理症状
⊇脈、それに伴う意識消失発作
と考えています。

Q.「アリセプトによって精神症状(興奮、焦燥など)が現れた場合の対処法について教えてください。」
A.「個別の患者様に起こる症状についてどのような対処が適しているかを示唆するデータはありません。一人ひとりの患者様の症状の発生状況、程度、経過などを診断いただき、適切と思われる処置をお願いいたします。」

アリセプト内服で最大の問題となるのは、興奮、焦燥、易怒性などの陽性心理症状です。

.▲螢札廛罰始・増量し、アパシーなどの問題となっている事柄は改善したが、陽性心理症状が出現した場合
(Plan A)
 アリセプト減量。1mg単位で減量します。
 評価はアリセプトの半減期を考えて3日目に行うのが妥当と考えています。
 問題の改善と、心理症状の増悪を計りにかけて、介護者の負担が最も軽くなる量で維持します。
 1mg単位で調整する場合は散剤で調整することになります。
 都道府県によっては「精神科(神経科、心療内科)」「神経内科」以外の診療科医師が1mg単位で調整した場合にはレセプト上、査定されることがあります。

(Plan B)
 メマリーを併用します。
 (第一三共のホームページを参照してください。但し会員登録が必要です。)
 一般的な使用法は、5mgから開始し20mgまで増量することです。
 しかしアリセプトと同様で、問題となっている心理症状が解決した場合には、その量で止めることをお勧めします。
 メマリーは「アルツハイマー病治療薬によるBPSD治療」に記載したように、心理症状に抑制的に働きます。
 過剰投与になった場合には、アパシーなどの意欲低下や睡眠時間の延長などの影響が出てきますので、過剰投与にならないような調整が必要になります。
 自験例ではメマリーを使用した約50%の患者さんで、10mg、15mgで留めています。
 また、約10%の患者さんでは、アパシーの増悪により中止を余儀なくされています。

見当識障害や手続き記憶障害に対してアリセプト開始・増量した場合、問題となっている事柄が改善していないのに、陽性心理症状を認めた場合
 (アパシーに対してアリセプト開始・増量し、陽性心理症状が出現した場合にはアパシーは改善していると判断しても良いと考えています。)
(Plan A)
 アリセプト中止。
 レミニール開始します。8mgから漸増し、16mgまで増量。
 レミニール16mgがアリセプト5mgと同程度の効果を示すと考えられています。
 消化器症状が強くない場合は、アリセプトを中止した翌日からレミニールを開始します。
 消化器症状が強かった場合には、1〜2週間の休薬期間を取ります。

(Plan B)
 メマリーを併用します。
 使用方法は,Plan Bと同様です。併用することで中核症状の改善が見込めます。
 但し、アリセプト+メマリーの薬価は高いので、経済的負担が増えることは説明しておく必要があります。

Q.「アリセプトによって失神が発現することがありますか?」
A.「アリセプトの重大な副作用として、失神(0.1%未満)が報告されています。
アリセプトはコリン作動性に心血管系に作用するため、徐脈などを起こすことにより影響を及ぼしている可能性があります。

あまり知られておらず、見過ごされていることが多いアリセプトの副作用が「徐脈」です。
その際には、アリセプト中止を考慮する必要があります。
主な機序としてコリン作動性作用が考えられており、レミニールへの変更も難しいです。
中核症状の増悪のために介護上支障が出てくる場合には、保険適応上の問題はありますが、メマリー単独投与への変更を考えた方が良いでしょう。

アルツハイマー病には、意識消失を伴う「痙攣発作」を併発することがあり、鑑別が必要です。
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