アリセプト使用上の注意(1)

  • 2012.09.19 Wednesday
  • 08:00
 アリセプトの使用上の注意点はエーザイのホームページをご覧ください。

この記事ではその中で中等度以上の認知症患者の診療に際して、特に注意が必要な点をピックアップします。

第蕎 作用機序と適応疾患
Q.「アリセプト3mg投与で効果がみられたら、そのまま3mg投与を継続してもよいですか?」
A.「3mg/日投与は有効用量ではありません。軽度・中等度アルツハイマー型認知症に対する有効用量は5mg/日ですので、用法・用量通り、5mg/日への増量をお願いいたします。」

アルツハイマー病患者では、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT:コリンとアセチルからアセチルコリンを合成する酵素)活性が低下することが知られています。
またコリン作動性神経細胞が脱落することも知られています。
ChAT活性の低下により、アセチルコリン濃度が低下します。
アリセプトはアセチルコリンエステラーゼ(AChE:アセチルコリンを酢酸とコリンに分解する酵素)阻害薬ですので、減少しているアセチルコリンを分解しないことで枯渇を防ぐことになります。
認知症患者でも程度でよって、ChAT活性の低下の程度が異なることから容量依存性の可能性があります。つまり5mgでも過剰投与になってしまう可能性があります。

中等度以上の認知症患者に投与する場合は、3mgで問題となっている事柄が解決したのであれば、3mgを継続すべきです。(3mgで維持しても、レセプトで査定されることは原則ありません。)
また5mg内服している患者さんで増量する場合も、必ず10mgまで増量しないといけないわけではありません。漸増し症状が落ち着いたなら7.5mgや8mgで維持しても良いです。

ここで、無理をして5mgや10mgにすると、興奮、易刺激性などの陽性心理症状を呈する場合が多く、介護者のアリセプトに対する不信を招いてしまうので、中止をせざるを得ない場合があります。

第絃 臨床成績
Q.「アリセプトの効果は服用後どのくらいの時点で判定すればよいのでしょうか?」
A.「軽度・中等度のアルツハイマー型認知症患者様を対象とした臨床試験では、12週後から認知機能の改善が認められています。したがって、アリセプトの効果は3〜4ヵ月間投与後、判定するようにしてください。」

認知機能改善の評価は12週間必要とされていますが、アパシーや幻覚などBPSDに対する効果は著効例では翌日より改善が認められ、効果が認められる多くの症例で3〜4日目に改善が認められます(←自験例)。
長くてもアリセプトの血中濃度が安定する2週間目に評価可能です。

但し、アリセプト開始・増量するとアパシーが増悪する症例も、それなりの頻度であるので、その場合は中止したほうが無難です。

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