第4回北摂在宅医療症例検討会のご報告(2)

  • 2013.07.13 Saturday
  • 17:00
グループワーク開始後、ファシリテータ1人、書記1人、発表者1人、観察者1人をグループ内で話し合って決めていただきました。
第1回、第2回へ観察者はこちらで決めさせていただきましたが、第3回目以降は観察者もグループ内で決めていただきました。

観察者は、グループワークで話し合われている内容に立ち入らずに、話し合いの進め方の観察と評価をお願いしています。

グループワークに医師が入ると、ファシリテータをせざるを得ないか、参加者が医師の意見を聞こうとする傾向があるので、前回は医師に観察者をお願いしましたが、今回はそこも含めてグループで協議していただきました。

今回は、医師がメンバーの一人として参加しても、他の職種の方々も自由闊達な意見交換ができるようになってきたと思えました。
参加する医師は、毎回ほぼ同じメンバーなので、医師も主導しないことに慣れてきたようです。

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【観察者の方々へのお願い】
・グループワークの進め方に対する評価をお願いします。
 話し合われた結果の内容へのコメントは避けてください。
・終了後に好評をお願いします。可能な限り良い点を取り上げてください。
・話し合いで意見が出ない、または意見の整理がつかず膠着状態になった場合はアドバイスをお願いします。
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検討会1
(症例提示を行う古河聡先生)
検討会2
(参加者の様子)

【ケースの概要】
50歳代 女性 脳出血後遺症

これまで受診歴なし。

約8か月前に、脳幹出血発症。四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認めている。
急性期病院(1か月)、回復期リハ病院(5か月)、療養病院(2か月)を経て、自宅へ戻っている。
療養病院転院時には四肢麻痺・寝返り不可、経鼻胃管を介した経管栄養を行っていた。
療養病院へ転院後、トロミ食であれば経口摂取が可能となり、自宅へ戻っている。
構音障害も改善してきているが、数回聞きなおすと理解できる程度であった。
明らかな高次機能障害は認めていない。

身体障害者(1級)、要介護5

子供はなく、夫は日中は就労しており、日中独居の状態。
夫の休みは月1回以下。
月収は25万円を超える。
エレベータのない集合住宅の2階に居住。

退院当初のサービス
オムツ交換等のために1日3回、訪問介護を受けている。
他に訪問診療、訪問入浴サービスを利用し、介護保険利用限度額を超え、数万円の自己負担が発生している。

退院後、排便困難に対して訪問看護導入(特別指示による医療保険で実施)している。

その後、夫より訪問リハビリテーションの希望が出てきている。

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こういったケースのプレゼンテーションではすべての情報を提示できるわけではないので、判断するために必要な情報・状況は「自分達で勝手に設定を決める」ようにしていただいています。
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検討会3
(グループワークの様子。今回は声の大きな人がいなくて、落ち着いたグループワークになりました。)

【医療的問題】
脳出血後遺症としての四肢麻痺、球麻痺(構音障害、嚥下障害)を認めている。
これらの後遺症に対して、リハビリテーション導入を考える。
食生活を含めた生活指導が必要と考えられる。

【心理的問題】
明らかな高次機能障害は認めていない。
構音障害のため意思表出が困難であり、ストレスに繋がっている。

【社会的問題】
月収はそれなりの額であるが、貯蓄はない。
経済状況をサービス提供者側(ケアマネジャーを含めて)が把握できていない。
経済的問題で新たなサービス導入が困難であれば、特別障害者手当の申請を行う。
経済的問題で、これ以上のサービス導入は困難である中で訪問看護、訪問リハ導入をどのように行うか。
家族介護者が夫のみであり、就労のため介護に専念できない。
夫の介護負担が大きい。
本人の構音障害のために、妻の思いを聞き出すのに時間がかかりストレスになっている。
虐待につながる可能性を考慮する必要がある。


【設問3】訪問リハビリテーションを導入して欲しいとの希望に、あなたはどう答えますか?
 ・このケースで期待できるリハビリテーションの効果は?
  約8ヶ月間、病院でリハビリテーションを行っていたケースであり、実施量を確保しにくい在宅のリハビリテーションを行っても効果がないのではないか。
  最も効果的であったとしても、現状維持が精一杯ではないか。
  拘縮予防や生活リハビリテーションのための評価、介護者に対する指導は意味がある。
  住環境や福祉用具導入を指導することで、介護量を減らすことが出来る。
  誤嚥のリスク、褥瘡のリスクを減少させることが出来る。

 ・訪問リハビリテーションの要・不要を評価してください。
  5グループの内、4グループで必要との判断であった。1グループは結論が出ていない。
  質問が曖昧であったために、参加者は少し混乱されたようです。
  「現在の介護保険の利用限度額を超え、自己負担が出ている状況の中で、
   ・他のサービスを減らして、訪問リハビリを導入する。
   ・全額自己負担でも、訪問リハビリを導入する。
   ・訪問介護を、障害者総合支援法などの他の制度を利用し、利用限度枠に余裕を持たせるような工夫を行う。
   ・その他」
   などの具体的なプランを提示して欲しかったのですが、要・不要のみで議論されたようです。

  ここで、フロアから出された意見で、
  「療法士に訪問リハビリが必要ですか?と聞けば必要と答える。訪問看護師に訪問看護が必要ですか?と聞けば必要と答える。そして量は多い方が良いとなる。これらを積み上げると、利用限度額はあっという間に超えてしまう。必要なサービス内容や量は誰が決めていけば良いと思いますか?」というものがありました。
  多くの人の答えは「ケアマネジャー」です。しかし「アセスメントの出来ないケアマネジャーが多いことも現実であり、調整機能を果たしていない人が多い」と考えている参加者が多かったです。

 ・必要と判断した場合、実際に導入するためにどのような対応を取りますか?
  経済的問題をクリアにする必要がある。
  夫婦2人暮らしで、月収25万円あれば生活には支障がないのではないかと考えられた。
  月収が減ったとしても、夫の仕事量を減らし、介護にあたる時間を減らす。
  短期的に訪問リハビリを導入し、将来的に訪問看護師のリハビリテーションへスイッチする。(←この意見は訪問療法士より出されました。)
  短期的に訪問リハビリを導入し、デーサービス・デイケアへスイッチする。
  ショートステイ・レスパイトケア入院を利用し、自宅でのサービス量を減らす。
  生活保護の申請を行う。

 ・不要と判断した場合、代替案はありますか? また夫にどのように説明しますか?
  介護施設への入所。

【まとめに代えて】
経済的に困窮(?)しているケースで、どのようにサービス間の思いを調整していくかが問題になりました。

ここでは、記載していませんが、夫のお金の管理(使い方)に問題があるのではないかと考えさせられました。
また、理も非もなく「リハビリが必要」と頭に浮かぶと、経済的な問題等を考えずに「リハビリ導入」に突き進む様子など、夫の高次機能障害も念頭におかなければならないケースと考えられました。

今回のキーセンテンスは、
「療法士に訪問リハビリが必要ですか?と聞けば必要と答える。訪問看護師に訪問看護が必要ですか?と聞けば必要と答える。そして量は多い方が良いとなる。これらを積み上げると、利用限度額はあっという間に超えてしまう。必要なサービス内容や量は誰が決めなければならない。
だと思います。

検討会4
(高橋先生の講義)
生活期のリハビリテーションを中心に、癌患者のリハビリテーションなど内容豊富なお話を聞かせていただきました。

検討会5
(懇親会)
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
当院ダイエット部からも3人出席しており、皆で食事の勧め合いが行われていました。
この場で、本をお貸しする約束も出来ました。
飲み二ケーションは連携に効果的か否かとの研究も、今回のテーマの一つでしたが、結論は「効果的ではない」になりそうです。理由は「懇親会に参加する人は、元々連携に困ってない」です。懇親会に参加しなかった人が、参加するような工夫が必要なのだと思いました。

第4回北摂在宅医療症例検討会のご報告(1)

  • 2013.07.13 Saturday
  • 14:00
平成25年07月13日、千里ライフサイエンスセンター会議室において「第4回北摂在宅医療症例検討会」を開催いたしました。

司会進行役、演者を含めて最終的に42人の方々にご出席いただきました。
3連休の初日ということもあり、参加が難しいとのご意見を頂き、スケジュール調整の難しさを実感しました。

グループワークの5グループで各グループが8人でした

当日のスケジュールです。
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受付後、各グループ内で自己紹介・名刺交換

14時00分〜
 挨拶、検討会進行の説明

14時05分〜
 症例提示(1題)
 ・関連事業所よりの追加情報
 ・フロアからの質問・応答

14時30分〜
 グループワーク
 ・グループワーク進行の説明
 ・ファシリテータ、書記、発表者の決定
  グループ内での話し合い (40分間)
 ・各グループからの発表  (各3分) 
 ・観察者からの好評      (各2分) ←時間がなくなったなた割愛
 ・全体での話し合い      (15分)

〜〜休憩(15分間)〜〜

16時05分〜
 講義
 ・在宅リハビリテーションについて
  演者:高橋紀代先生(篤友会 リハビリテーションクリニック副院長)
 ・フロアからの質問・応答

16時55分〜
 閉会の挨拶、次回のお知らせ
 アンケートの記入

17時30分〜
 懇親会
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グループワークでは、以下の問いを設けさせていただきました。
【設問1】あなたの考える現在の問題点をあげて整理してください。
     (医学的、心理的、社会的問題に分けて考えてください。)

【設問2】問題点に対して取られている対策と、その評価(適当・過剰・不足)を行なってください。

【設問3】訪問リハビリテーションを導入して欲しいとの希望に、あなたはどう答えますか?
 ・このケースで期待できるリハビリテーションの効果は?
 ・訪問リハビリテーションの要・不要を評価してください。
 ・必要と判断した場合、実際に導入するためにどのような対応を取りますか?
 ・不要と判断した場合、代替案はありますか? また夫にどのように説明しますか?

【設問4】将来的(約半年間)に起こると考えられる問題点は何と考えますか?
また、その問題点を予防するための工夫や起こった際の対策を考えてください。

「医学的問題には疾患や治療内容に関する問題を記載してください。心理的問題には本人の認知機能や思いなどに関する問題を記載してください。社会的問題には経済的問題を含めた家庭環境や、家族の思いに関する問題を記載してください。」

第4回北摂在宅医療症例検討会のご案内

  • 2013.07.13 Saturday
  • 13:30
平素は(医)拓海会神経内科クリニックの事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
我々、在宅医療を提供している事業所は、比較的小規模の事業所が多く病院などと比べると、他の専門職のアドバイスを受け難い環境にあります。また緩和ケア、神経難病の維持期ケア、認知症ケアなどは関わりを持つそれぞれのスタッフの哲学により、そのケア内容が異なることが少なくありません。

他の専門職がどのように考えケアを提供しているかを知るため、困難症例に対して他の専門職のアドバイスを受ける場としての症例検討会を計画いたしました。

皆様のご参加をお待ちしています。
事前にお申し込み頂いた事業所には、資料などを送らせていただきます。

また、検討会終了後に、本音で話せる場としての近隣の居酒屋で懇親会も企画しておりますので、そちらにも是非ご参加下さい。(懇親会費として、1000円をご負担下さい)

今後も定期的な開催を予定しており、徳田先生(とくだクリニック)、田村先生、大野先生(おおさか往診クリニック)、古河先生(ふるかわ医院)の諸先生方にも、ご協力いただいております。
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日時:平成25年7月13日(土)

   14:00〜17:00 (受付 13:30〜 )

会場:千里ライフサイエンスセンター会議室 701号室 


内容 ‐瀕稍鷦─▲哀襦璽廛錙璽

『在宅障害者のリハビリテーション』

     症例提示担当:古河聡先生(ふるかわ医院)

研修『在宅リハビリテーションについて        

講師:高橋紀代先生 (篤友会リハビリテーションクリニック 副院長)

参加費:無料  参加定員:約40名(会場の都合により人数制限させていただくことがあります。)

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(この検討会は在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けて開催しております)

第三回北摂在宅医療症例検討会のご報告(2)

  • 2013.05.14 Tuesday
  • 08:00
グループワークは各グループ9人でやや、多いです。
グループワーク開始後、ファシリテータ1人、書記1人、発表者1人、観察者1人をグループ内で話し合って決めていただきました。
前回、観察者はこちらで決めさせていただきましたが、今回は観察者もグループ内で決めていただきました。

グループワークに医師が入ると、ファシリテータをせざるを得ないか、参加者が医師の意見を聞こうとする傾向があるので、前回は医師に観察者をお願いしましたが、今回はそこも含めてグループで協議していただきました。

終了後、医師から自分が参加しないグループワークを見る良い機会になったとの感想を頂きました。

観察者は、グループワークで話し合われている内容に立ち入らずに、話し合いの進め方の観察と評価をお願いしています。

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【観察者の方々へのお願い】
・グループワークの進め方に対する評価をお願いします。
 話し合われた結果の内容へのコメントは避けてください。
・終了後に好評をお願いします。可能な限り良い点を取り上げてください。
・話し合いで意見が出ない、または意見の整理がつかず膠着状態になった場合はアドバイスをお願いします。
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今回は、単身で自宅療養を行なっている2ケースをプレゼンテーションしていただきました。

【ケース1の概要】
70歳代 男性 糖尿病 アルコール依存症

インスリン自己注射(血糖測定、スライディング・スケール)を行なっている。

認知症の精査は行なっていないが、近時記憶障害が目立ち、認知症はあると考えられている。
食事、内服、インスリン自己注射は不確実で、低血糖発作を頻回に認めている。
他に意識消失発作(?)を認めている。入院し原因検索が行なわれ、「低血糖発作」「てんかん」が疑われているが原因は確定していない。
入院時にリハビリテーションを受けており、自宅でのサービス提供が考えられた経緯があった。

現在も、飲酒を続けておられる。

別居している息子さんが2人いる。ともに独身。
 時に家を訪問され、介護を担当されている。

自宅での生活を継続したいとの本人の意向は明確であった。
息子さんたちは希望しているのであれば、自宅での生活を継続させてあげたいとの意向をお持ちであった。ただし、経済的に援助することは困難であり、本人の年金で賄える範囲でのサービス利用をして欲しいとのことであった。

【ケース2の概要】
80歳代 女性 加齢性変化 全盲

特に医療的処置は行われていない。

認知症の精査は行なっていない。
全盲のため、外出や調理は行なえていない。
 更衣を含めて自宅内での身の回りのことは、自分で行なえている。

別居している息子さんが2人いる。ともに結婚し、近隣府県に住んでおられる。
 時に家を訪問され、介護を担当されている。

自宅での生活を継続したいとの本人の意向は明確であった。
息子さんたちは希望しているのであれば、自宅での生活を継続させてあげたいとの意向をお持ちであった。経済的援助を行なうことも可能とのことであった。

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こういったケースのプレゼンテーションではすべての情報を提示できるわけではないので、判断するために必要な情報・状況は「自分達で勝手に設定を決める」ようにしていただいています。

【医療的問題】
ケース1では、ヘルパーと訪問看護師の連携が上手く行っていないから、血糖コントロールは不良で低血糖発作を認めているのではないかとの意見が出されていました。
しかし「インスリン自己注射を内服に変更する必要があるのではないか」との意見が多く出されました。医師の多くも「高血糖よりも低血糖の方が良くない」と判断しており、自身が主治医であれば内服薬への変更を考えるとの意見を持っていました。

実際には訪問看護師より、インスリン自己注射(特にスライディング・スケール)は困難である旨の説明がなされていました。しかし現在の主治医は「このHbA1cでは、インスリン療法の継続が必要です」との反応であったとのことでした。
(在宅医側はインスリン自己注射が確実に行なえていないので、こんなコントロールになっているのではないか?と考えておりました)

ケース2では、医療的問題は特にないと考えられていました。

【心理的問題】
ケース1の方は、精査するまでもなく認知症症状はあると考えられます。
ケース2の方は、「こんな状態で一人暮らしを継続したいなんて、まともな判断が出来ていないのではないか」との意見もありましたが、少数です。「おうちが大好きな人」は多いので、一概に認知症とは判断できません。

ケース1・2ともに、「なぜ自宅での生活を継続したいのか?」を掘り下げて欲しかったのですが、こういった意見はあまり出ませんでした。単に「施設・病院がイヤ」なのか、「自宅が好き」なのかでも、プランは変わると思うのですが・・・。

少し関連があることでは「この方々の生きがい作りが出来ないか?」「そのためにはデイサービスなど、他の人と社会的な関わりを持つことが必要ではないか?」との意見が出されています。
その前に「自宅で生活していく中で何かやりたいと思っていることは?」を探って欲しかったです。

【社会的問題】
ケース1・2ともに、単身であるが近親者がいることが共通していました。
どちらかのケースは全く身寄りがないケースを準備すべきだったと反省しています。

土日の訪問看護・訪問介護はどのようにしているのかとの問いがあり、訪問看護師・ケアマネジャーより「家族に介護に参加して欲しいので入れていない」との情報提供がありました。

リスクを減らすためにも訪問服薬指導などサービスをもう少し入れたほうが良いとの意見が出された一方で、本人たちは生活する上でのリスクがあったとしても現状の生活に満足しているのであれば、サービスを入れることは大きなお世話ではないのか との意見も出されています。

サービスを増やすためには、ケース1の場合では経済的問題を解決することも必要であると考えられました。

今回のケースは、ともに息子しかいないケースであったので、娘がいるケースでは異なる状況になっていたのではないかとの意見もありました。

直接的に介護に参加するだけではなく、「本人を理解する」「何かを決めないといけないときに本人を支援する」「本人の自己決定権を尊重する」などをキーワードに家族の参加を促す必要が述べられていました。

【まとめに代えて】
単身者の生活を支える上で、その職種の人すべてがそうではありませんが、職種によって一定の傾向がありました。

(リスクがあっても、本人が希望するなら自宅で生活してもらえば良いじゃないか)
・在宅医
 ↓
・訪問看護師
 ↓
・訪問療法士
 ↓
・ケアマネジャー
(リスクが高い場合には、サービスをたくさん利用して、それでも無理なら自宅での生活を諦めて施設への入所を考えた方が良い)

特にキャリアが短いケアマネジャーのほうが、自宅での療養継続を諦めた方が良いとの傾向がありました。(いずれにしろ少数なので、あくまでも印象レベルです。)

また、この会に参加している在宅医は平均的とは言えない医師の集団ですので、他の医師(特に病院に勤務されている医師)とは、考え方が異なると思っています。

ただ、懇親会やアンケートから、「リスクがあっても本人・家族が希望しているのであれば、自宅での生活を継続しよう」と、明確なスタンスを持っている医師がいることが分かって良かったと 述べられているケアマネジャーが数人おられました。

私のみならず参加している医師のスタンスとしては、「リスクがあっても本人・家族が希望しているのであれば、自宅での生活を継続しよう」なのですが、「本人の認知機能は正常か?」「家族は十分にリスクを理解し、納得しているか?」も当然、勘案する必要はあると思っています。

第三回北摂在宅医療症例検討会のご報告(1)

  • 2013.05.13 Monday
  • 08:00
平成25年05月11日、千里ライフサイエンスセンター会議室において「第三回北摂在宅医療症例検討会」を開催いたしました。

約40人の出席を予定しておりましたが、司会進行役、演者を含めて最終的に68人の方々にご出席いただきました。

グループワークの6グループで各グループが9人になってしまい、少し多くなってしまったので、次回からは参加者の制限を行なわなければならないかもしれません。

当日のスケジュールです。
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受付後、各グループ内で自己紹介・名刺交換

14時00分〜
 挨拶、検討会進行の説明

14時05分〜
 症例提示(2題)
 ・関連事業所よりの追加情報
 ・フロアからの質問・応答

14時30分〜
 グループワーク
 ・グループワーク進行の説明
 ・ファシリテータ、書記、発表者の決定
  グループ内での話し合い (30分間) ← 纏まらなかったので5分間延長
 ・各グループからの発表  (各3分)
 ・観察者からの好評      (各2分)
 ・全体での話し合い      (15分)

〜〜休憩(15分間)〜〜

16時05分〜
 講義
 ・一人暮らしへの支援 〜住み慣れた自宅で暮らす為に必要なネットワーク〜
  演者:杉本浜子さん(吹田市医師会立ケアプランセンター)
 ・訪問看護の現状と役割
  演者:新田美和子さん(吹田市医師会立訪問看護ステーション)

 ・フロアからの質問・応答

16時55分〜
 閉会の挨拶、次回のお知らせ
 アンケートの記入

17時30分〜
 懇親会
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グループワークでは、以下の問いを設けさせていただきました。
【設問1-a】ケース1・2に共通する現在の問題点は何と考えますか?
     (医学的、心理的、社会的問題に分けて考えてください。)

【設問1-b】問題点に対して取られている対策と、その評価(適当・過剰・不足)を行なってください。

【設問1-c】将来的に起こると考えられる問題点は何と考えますか?
また、その問題点を予防するための工夫や起こった際の対策を考えてください。

【設問2-a】ケース1・2のそれぞれに特異的な現在の問題点は何と考えますか?
     (医学的、心理的、社会的問題に分けて考えてください。)

【設問2-b】問題点に対して取られている対策と、その評価(適当・過剰・不足)を行なってください。

【設問2-c】現在の状況で自宅療養を継続することは適当と考えられますか?

【設問2-d】将来的に起こると考えられる問題点は何と考えますか?
また、その問題点を予防するための工夫や起こった際の対策を考えてください。

「医学的問題には疾患や治療内容に関する問題を記載してください。心理的問題には本人の認知機能や思いなどに関する問題を記載してください。社会的問題には経済的問題を含めた家庭環境や、家族の思いに関する問題を記載してください。」

【設問3】あなたが普段の仕事の中で、支援の限界を感じる時はありますか?
どの様な状況の時に支援の限界を感じますか?

第三回北摂在宅医療症例検討会のご案内

  • 2013.05.11 Saturday
  • 08:00
平素は(医)拓海会神経内科クリニックの事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
我々、在宅医療を提供している事業所は、比較的小規模の事業所が多く病院などと比べると、他の専門職のアドバイスを受け難い環境にあります。また緩和ケア、神経難病の維持期ケア、認知症ケアなどは関わりを持つそれぞれのスタッフの哲学により、そのケア内容が異なることが少なくありません。

他の専門職がどのように考えケアを提供しているかを知るため、困難症例に対して他の専門職のアドバイスを受ける場としての症例検討会を計画いたしました。

皆様のご参加をお待ちしています。
事前にお申し込み頂いた事業所には、資料などを送らせていただきます。

また、検討会終了後に、本音で話せる場としての近隣の居酒屋で懇親会も企画しておりますので、そちらにも是非ご参加下さい。(懇親会費として、1000円をご負担下さい)

今後も定期的な開催を予定しており、徳田先生(とくだクリニック)、田村先生、大野先生(おおさか往診クリニック)、古河先生(ふるかわ医院)の諸先生方にも、ご協力いただいております。
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日時:平成25年5月11日(土)

   14:00〜17:00 (受付 13:30〜 )←開始時刻を変更しております。

会場:千里ライフサイエンスセンター会議室 701号室 ←会場が変更されています。

内容 ‐瀕稍鷦─▲哀襦璽廛錙璽

『独居患者の在宅医療()

     症例提示担当:きずな訪問看護ステーション

研修『独居患者の在宅医療を行なう際のポイント()        

講師:杉本浜子さん、新田美和子さん(吹田市医師会訪問看護ステーション)

参加費:無料  参加定員:約40名(会場の都合により人数制限させていただくことがあります。)

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(この検討会は在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けて開催しております)

第二回北摂在宅医療症例検討会のご案内

  • 2013.03.10 Sunday
  • 08:00
平素は(医)拓海会神経内科クリニックの事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
我々、在宅医療を提供している事業所は、比較的小規模の事業所が多く病院などと比べると、他の専門職のアドバイスを受け難い環境にあります。また緩和ケア、神経難病の維持期ケア、認知症ケアなどは関わりを持つそれぞれのスタッフの哲学により、そのケア内容が異なることが少なくありません。

他の専門職がどのように考えケアを提供しているかを知るため、困難症例に対して他の専門職のアドバイスを受ける場としての症例検討会を計画いたしました。

皆様のご参加をお待ちしています。
事前にお申し込み頂いた事業所には、資料などを送らせていただきます。

また、検討会終了後に、本音で話せる場としての近隣の居酒屋で懇親会も企画しておりますので、そちらにも是非ご参加下さい。(懇親会費として、1000円をご負担下さい)

今後も定期的な開催を予定しており、徳田先生(とくだクリニック)、田村先生(おおさか往診クリニック)、古河先生(ふるかわ医院)の諸先生方にも、ご協力いただいております。

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日時:平成25年3月23日(土)   14:00〜17:00 (受付 13:30〜 )

会場:千里ライフサイエンスセンター会議室 601号室

内容 
‐瀕稍鷦─▲蹇璽襯廛譽
『施設看取りのすすめ』:症例提示 徳田 光章先生(とくだクリニック)
 今回は、前回のスモールグループワークではなく、ロールプレイをしていただきます。
 家族、施設管理者、介護士など、当たった配役になりきったロールプレイをお願いします。

研修『施設看取りの現状と課題』        
講師:横川 晃治先生 (よこかわクリニック)

参加費  :症例検討会は無料、懇親会費は1000円
参加定員:約40名(会場の都合により人数制限させていただくことがあります。)
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(この検討会は在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受けて開催しております)

第一回北摂在宅医療症例検討会のご報告(1)

  • 2013.02.16 Saturday
  • 17:30
平成25年02月16日、千里ライフサイエンスセンター会議室において「第一回北摂在宅医療症例検討会」を開催いたしました。

約30人の出席を予定しておりましたが、最終的に51人の方々にご出席いただきました。

当日のスケジュールです。
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受付後、各グループ内で自己紹介・名刺交換

14時30分〜
 挨拶、検討会進行の説明

14時35分〜
 症例提示
 ・関連事業所よりの追加情報
 ・フロアからの質問・応答

15時00分〜
 グループワーク
 ・グループワーク進行の説明
 ・医療倫理の4原則・4分割表を用いた自身の考えの整理 (5分間)
 ・ファシリテータ、書記、発表者の決定
  グループ内での話し合い                   (20分間)
 ・各グループからの発表 (各3分)
 ・観察者からの好評     (各2分)
 ・全体での話し合い       (5分)

〜〜休憩(15分間)〜〜

16時10分〜
 講義
 ・終末期医療における患者・家族の意思決定をサポートするために
 ・ALSと高次機能障害
 ・ALSの終末期緩和ケア

 ・フロアからの質問・応答

16時55分〜
 閉会の挨拶、次回のお知らせ
 アンケートの記入

17時30分〜
 懇親会
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グループワークでは、
^媚弖萃蠅亡慷燭垢襪海箸肪が関与すべきか?
 (誰がカンファレンスに参加すべきか?)
 (カンファレンスは必要ないと考えるか?)

患者と家族の意見が分かれた場合に、
 医療者はどのような姿勢で臨むべきと考えるか?
 (誰に、どのような働きかけを行なうか?)

この時点で、事前指示書を書くことは適切であったか?
 □適切であった  
 □適切ではなかった
 (□事前指示書は必要ない □適切な時期に書く必要がある

い海了点で、気管切開・人工呼吸管理が必要となった場合、
 気管切開・人工呼吸管理を行うべきか、否か?
 □行なうべきである  
 □行なうべきではない

を話し合って頂きました。

第一回北摂在宅医療症例検討会のご報告(2)

  • 2013.02.16 Saturday
  • 17:10
症例検討会の様子です。

第一回北摂在宅医療症例検討会2
グループワークの様子です。
各グループ10人でやや、多いです。
グループワーク開始後、ファシリテータ1人、書記1人、発表者1人をグループ内で話し合って決めていただきました。
立っているのは、観察者です。
グループワークに医師が入ると、ファシリテータをせざるを得ないか、参加者が医師の意見を聞こうとする傾向があるので、医師には観察者をお願いしました。
観察者は、グループワークで話し合われている内容に立ち入らずに、話し合いの進め方の観察と評価をお願いしています。

【観察者の方々へのお願い】
・グループワークの進め方に対する評価をお願いします。
 話し合われた結果の内容へのコメントは避けてください。
・終了後に好評をお願いします。可能な限り良い点を取り上げてください。
・話し合いで意見が出ない、または意見の整理がつかず膠着状態になった場合はアドバイスをお願いします。

各グループからの発表は後述します。

第一回北摂在宅医療症例検討会3
その後、講義です。
・終末期医療における患者・家族の意思決定をサポートするために
・ALSと高次機能障害
・ALSの終末期緩和ケア
の3点のお話をさせて頂きました。
時間の制約があり「終末期医療における患者・家族の意思決定をサポートするために」が中心になりました。

第一回北摂在宅医療症例検討会4
懇親会です。
これには18人の方々に参加していただきました。
うち医師6人。もっと多く参加して欲しいと思っています。
いつものことですが、最初のうちは医療のこと、最後の方はほぼ雑談。
この日の最後の話題は、「それぞれの年齢」でした。
ちなみに写っている7人の中では、私は2番目に若いです。

第一回北摂在宅医療症例検討会のご報告(3)

  • 2013.02.16 Saturday
  • 17:09
グループワークの目的は、
「意思決定プロセスを考える。」
「意思決定プロセスの多様性を知る。
とさせていただきました。

グループワークの内容です。

準備した症例は、「50歳代 男性 ALS」の方です。
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【提示した症例のサマリー】
発症から4年。四肢は動かすことは不可能。
24時間NPPVを使用。1年以上前の肺活量が10%未満(以後測定できず)。
 約1年前より呼吸苦に対してモルヒネを使用している(硫酸モルヒネ 15mg/日+レスキュー用 塩酸モルヒネ 5mg/回 適時)。
音声言語での意思表出は不可能で、開閉眼によるYes-No、意思伝達装置を使用している。

本人は、約1年前より一貫して気管切開・人工呼吸管理は行いたくないことを表明している。
 また肺炎などに罹患しても自宅で行える範囲での医療を受けることを希望されている。
妻は、夫の意向に添いたいと仰っているが、肺炎などで状態が悪化すると入院での加療を希望し、実行されている。
姉(近隣に住む。日々の介護には参加していない)は、一貫して気管切開・人工呼吸管理を希望している。
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^媚弖萃蠅亡慷燭垢襪海箸肪が関与すべきか?
 (誰がカンファレンスに参加すべきか?)
 (カンファレンスは必要ないと考えるか?)
設問1
当該ケースに関わっているサービス提供者を含めています。
娘さんのうちお一人は成人されており、お一人は未成年です。

多くのグループから出された結果は、
「職種ではなく、本人・家族との信頼関係の濃淡でカンファレンスに参加する人を選ぶべき」でした。
また「多人数」の方が良いか「少人数」の方が良いかは意見が分かれています。
「多人数」の肯定理由として「いろいろな人の意見が聞くことができる。」「自らが参加したカンファレンスで決定したものには、従いやすい」などがありました。
否定的理由として「多人数でのカンファレンスでは意見を集約することが困難」がありました。
「少人数」の場合は、「多人数」の裏返しで、肯定的理由は「意見が集約しやすい」、否定的理由は「意見が偏る可能性がある」でした。

参加者では一人だけ、「本人の意思は決定されているので、カンファレンスは必要ない」との意見を述べられた参加者がいらっしゃいました。

患者と家族の意見が分かれた場合に、
 医療者はどのような姿勢で臨むべきと考えるか?
 (誰に、どのような働きかけを行なうか?)

この設問は「セルフ・ネグレクトの可能性を考えているか?」「本人・家族がどのようなプロセスで、この結果に至ったか?」との回答が出てくることを期待した設問です。

全てのグループから「このような(治療を受けない)判断を下す結論に至ったプロセスを知る必要がある」「そのプロセスを、他の家族に話す必要があるのではないか」との回答がありました。

若い医師に同様に質問を行うと、多くの場合「本人が決めたことなので、それに従えば良いのではないでしょうか」との回答が出てくることを考えれば、今回の参加者は普段からこのような場面に直面し、自分たちの出来ることを考えていたから、このような回答が出てきたのではないかとも、思ったりしました。
当院に来られる研修医の先生方には、これからも同様の質問を行ってみたいと改めて思いました。

この時点で、事前指示書を書くことは適切であったか?
 □適切であった  
 □適切ではなかった
 (□事前指示書は必要ない □適切な時期に書く必要がある

すべてのグループから、本人の意思を活かすためには事前指示書は必要であるとの回答がありました。また指示書作成のためには、指示書は書き換えが可能であり、かつどの時期に書き換えるかを明確に説明する必要があると、いくつかのグループから回答がありました。
また一つのグループから、本人の意思表出が困難であるので、事前指示書を書く時期としては遅いのではないかとの意見も出されていました。

い海了点で、気管切開・人工呼吸管理が必要となった場合、
 気管切開・人工呼吸管理を行うべきか、否か?
 □行なうべきである  
 □行なうべきではない

この設問は、同じ患者であっても、関わる人によって違う結論に至ることを知って頂くための設問でした。

一つのグループは「気管切開する」、二つのグループは「気管切開しない」、二つのグループは「決められない」との回答でした。
予想通りというか、やらせではないかと思うくらいに綺麗に意見が分かれました。

神経難病に限らず緩和ケアは、本人・家族の思いや医療者の考え・哲学が入り込む余地の多い領域です。医療者は、自分の考え・哲学がどのような位置にあって、偏っていないかどうかを常に確認しておく必要があると思っております。

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